最近インテリアに興味を持ち始めた歴史系記事担当の黒沼です。
少し前にふとテレビを眺めていると「日本人が好きな画家」について調べた番組が始まりました。(上の画像がそれです。)
美大で油絵を学ぶ私にとってこの番組はとても面白かったです。
普段、美術の専門家の中で絵を学んでいると、良くも悪くも「美術」とか「画家」のイメージが一般人と離れていくからです。
今回はこのランキング3位の画家にモネについて書きたいと思います。
モネもダヴィンチ同様あまりにも有名な作家なので、マイナーな側面についてかいていきたいと思います。
印象派って?
日本人の印象派好きについてはよく語られますが、印象派の代表的作家が今回紹介するモネです。
そもそも「印象派」はモネの作品「印象、日の出」(上の画像)にちなんだもので、「この作品は印象を映したに過ぎない」という酷評にちなんだ名前なのです。
モネの生きた時代は写真技術が本格的に普及した時代で、それまでの画家の役割であった「対象の再現」が失われた時代でした。
危機感を覚えた多くの画家が、当時の写真にはできない「一瞬一瞬移り変わる光」を絵画で捉えようとしました。(当時の写真は露光が長く、またモノクロであったため、日の出の鮮やかな光をとらえられませんでした。)
そのため、印象派の画家は即興的な粗いタッチの絵画を屋外で描いたのです。これには、産業革命の結果誕生した、スクリューキャップ式のチューブ入り油絵具も一役買っています。
(それまでの画家は風景画をえがくにしても、屋外でスケッチをし、それをもとにアトリエで時間をかけて絵を仕上げました。絵具もチューブでなく、豚の膀胱に保管していました。)
日本人の原風景?モネの描く風景の魅力
日本に憧れたモネは太鼓橋のある日本庭園をつくり、池の睡蓮を描きながら悠悠自適に老後を過ごしたようですが、これはどうやらモネが宝くじに当たったことで実現したようです。 いいな~
スタジオジブリは日本人なら誰もがなぜか懐かしさを感じるアニメ映画を作っていますね。なかでも「風立ちぬ」は儚げな雰囲気があり私も大好きな作品なのですが、このジブリの醸し出す雰囲気とモネの風景画の雰囲気が似ているからこそ、モネはひいては印象派は日本人に人気なのかもしれませんね。
モネの庭園にまつわる真実!?
モネたちの生きた19世紀末のヨーロッパでは「ジャポニスム」という日本ブームが巻き起こっていました。当時の万国博覧会で日本はシャチホコなど数々の日本美術を出品したようで、これらが大きな影響を与えたようです。
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