西洋美術史のお話 これ絵なの!? スーパーリアリズムについて

どうもカメラ機能を使うとスマホがフリーズして困っている黒沼です。

普段、私は写真を見ながら絵を描いているので、いつか絵画と写真の関係について書いてみようと思っていたので、今日は写真技術絵画の関係について書いてみたいと思います!

写真技術の誕生

 

最初期の写真技術は19世紀初頭に登場します。

1804(威張れよ)ナポレオン の頃です。
そんなナポレオンの肖像も描いた、リアルな描写に定評のあったアングルは当然、写真技術の登場に焦ったようで、反対運動もしていたようです。

 アングル

こんな絵を描いてました。

 

因みに最初期の写真はこちら

1822頃のニエプスというフランス人技師の「ヘリオグラフィ」(太陽の描く絵)という写真技術です。感光に何時間もかかり、情報も粗かったため、アングルは「なんだ、俺の方がうまい」と安心したそうです。

そして次に出てきたのが、同じくフランス人技師のダゲールによる「ダゲレオタイプ」(銀板写真)という写真技術。

今度のはなかなかの情報量ですね。

このような写真技術の登場は、印象派の登場の一因とされています。
感光時間のかかる白黒の写真技術に対し、即興で色彩溢れる光を描く印象派 という訳ですね。
(他にチューブ入りの絵の具の登場で屋外での制作が可能になったことも印象派の登場の原因とされています。スクリューキャップのチューブ入り絵の具は産業革命期の当時、登場したようです。)

ハイパーリアリズムって?

えっ! 絵なの? ええ。

上の画像は現代アメリカの画家、チャック・クロースの作品です。写真じゃないんです。

1960年代半ば、このような写真と見紛う、緻密な絵画が流行したようです。アメリカから始まり、次第にヨーロッパにも広がり、「ハイパーリアリズム」と呼ばれました。

 

この潮流はポップアートから派生したようで、現代の風俗や都市をモチーフとすることが多いようです。

↓確かにポップアートの代表例のウォーホルの作品も、写真的な仕上がりで現代の風俗を描いていますね

写真と肉眼の違いって?

私は写真を用いて絵を普段描いているので、写真と絵画の違い、写真と肉眼の違いをいろいろ考えてみたりしています。
そんな時一冊の面白い本に出会いました。

詳しくはコチラ

色彩理論をまとめたその本にはこうありました。

肉眼での見え方と、写真の見え方の違いは主に

・写真は肉眼よりも、白黒に近づく(若干彩度が落ちる)
・写真は肉眼に比べ、白飛びする(極端に明るいゾーンの情報が飛ぶ)
・写真は肉眼に比べ、黒つぶれする(極端に暗いゾーンの情報がつぶれる)

のだそうです。

 白飛び

 黒つぶれ

つまり、写真を見て絵を描く場合、極端に明るいゾーンと暗いゾーンの情報を補いつつ、全体的に鮮やかめに描くと良い

といえそうです。

また、あのピカソは「質感は筆触でしか描けない」
という名言を残しています。確かに写真はどんなに良いものでも、均一な材質感ですね。

最新の写真技術をもってすれば、人の顔を撮っただけで、ズームしていくと毛穴の中まで見えてしまうそうです。(全体の情報量では肉眼を超えている)

そんなわけで、写真を使って絵を描く場合、肉眼での見え方の持っている偏り(彩度と質感)を意識して描けばよい といえそうですね。

おまけ

この写真はウクライナの議会での乱闘騒ぎを収めたものですが、
奇跡的に構図がルネサンス絵画のような、黄金比を含むものになっており、ネット上で、話題になりました。
このように、画面構成で演出される「絵画らしさ」もありますね

 

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