こんにちは~。桜の開花が待ち遠しい井上です!
なんだか最近寒さがぶり返してきていますが、今週末18日からは三連休ですね。行楽に出掛ける方も多いのではないでしょうか。
私はこの時期の休みを利用して、以前に山口県岩国市にある「錦帯橋(きんたいきょう)」へ訪れたことがあります。
桜と橋がこれぞまさに”The ジャポニスム!”なイメージの景観を作り出していたのを覚えています。
それもそのはず。錦帯橋は日本の誇る浮世絵の二大巨匠、葛飾北斎と歌川(安藤)広重がそれぞれ江戸時代に浮世絵のテーマの一つとして描いていたモチーフだからなんです。
そこで今回は「錦帯橋」について二大巨匠の浮世絵と実際のロケーションを私見で比較してみようと思います!
「浮世絵そのまんまなんだけど!!」
葛飾北斎作:すほうの国きんたいはし
錦川にかかる5つのアーチが美しい錦帯橋は1673年岩国藩主吉川広嘉によって創建された木造の橋で、1950年の台風で流されてしまうまで270年以上も姿を保った頑強な橋です。
バス停から歩いて程なくして見えてくるのですが、本当に”浮世絵のまんま”です(笑)外国人観光客と一緒にはしゃぎますよねもう(笑)
写真では分かりにくいですが橋の奥中央の山には岩国城が座していることもあり、橋と一体になって近世の日本的な景観がばっちり仕上がっています。
このあたりのポイントは、城がはっきりと描かれている北斎の作品のほうが実際の雰囲気に似ていると言えそうですね。
橋や風景ディテールへのこだわり
歌川(安藤)広重作:六十余州名所図会 周防 岩国 錦帯橋
一方で広重の作品に注目してみると、北斎よりも橋のディテールを忠実に再現しています。
真ん中3つのアーチを挟む前後の橋を支える木組みが、とても細かく描かれていますよね。
また、橋とそれを引き立てる風景や建物、橋を行き交う人々、そして船までもが正確な大小関係をもって捉えられています。
北斎は全体的に形の単純化によるデフォルメの効いた作品に仕上がっているので、写真のようなリアルさを求めるのなら広重でしょう。
・・・敢えて言うなら、北斎の作品はいくらデフォルメが効いているといっても、人物が結構大きく描かれているので正直これ、一方通行になってないか・・・?このままだと、ど真ん中のアーチでお互い前からやって来た人とすれ違いになるんだろうけど・・できるの・・・?というツッコミを入れたくなります。(笑)
広重の錦帯橋は2パターン存在する!
これは余談ですが広重の描いた錦帯橋は2パターン存在します。
二代目歌川広重作:諸国名所百景 周防岩国錦帯橋
というのも、この作品は2代目歌川広重の作品なので2枚はそれぞれ別の人物が描いた作品なんですね~。
二代目は雪化粧をした冬の錦帯橋を描くことで2人とはまた違った趣のある作品に仕上がっています。
まとめ
いかがでしたか?
今回は実在の錦帯橋と、それを描いた北斎と広重の浮世絵について触れてみました。
どちらが好きか、好みが分かれそうですね~。どちらも素晴らしいですが。
同じ「錦帯橋」をモチーフに、そして同じ浮世絵というジャンルでもそれをどう料理するかは作者のウデの見せどころ・・。といった感じでしょうか。
個人的にはまた赴く機会があれば今度は二代目広重バージョンの雪が積もった姿を見に行きたいですね。
うーん当分先だなぁ~~。
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