最近は都市伝説にはまっている歴史系記事担当の黒沼です。
今回はの中世の壁画について書きたいと思います。
中世はよく「キリスト教の時代」と言われますが、壁画も教会建築と連動して発展していきます。有名な技法にはステンドグラスや、モザイク等があります。
中世の価値観
美術史上、中世はおおまかに、ロマネスク期とゴシック期に分けられますが、ステンドグラスが用いられたのは、ゴシック期になります。
ロマネスク期の教会はとにかく禁欲的で質素です。「贅沢は敵」だったわけです。石造りの小さめの建物に小さい窓がいくつかあるようなものでした。フランスのル・トロネ修道院が有名です。
これに対し、ゴシック期の教会は壮大なものが多く、豪華なステンドグラスで彩られたものもあります。この頃の有名な修道士の言葉で「出来栄えが材料を超えた!」というものがあります。ゴシック期は作品の完成度次第では、高価な材料を使っても良いかな となったようですね。このため、ゴシック期の教会はノートルダム大聖堂のように豪奢なものが多いんですね。
ステンドグラスとは
ステンドグラスは半透明な着色ガラスの破片(窓の部分)と鉛の線を材料に用いて作られたようです。
着色ガラスは現在のガラスほど透明でないため教会内部は薄暗かったようです。ステンドグラスの線の部分に鉛が使われたのは、膨張率が理由であるようです。他の金属とは異なり、太陽光が当たり熱くなっても、さほど膨張せず、ステンドグラスの変形を防げるからだったそうです。
太陽光(自然の光)により、神聖な図像が浮かび上がるステンドグラスは、当時の「自然の光と恩寵の光は調和する」(自然の光(理性即ち人間の可能性)と恩寵の光(神の絶対性)は矛盾しない)というスコラ哲学の主張をビジュアル化したものとして後には考えられるようになりました。
モザイク壁画とは
モザイクとは、モルタルを塗った壁に、石や陶片(タイル)、ガラスなどの小片(テッセラ)を配して図柄を表す装飾美術です。
モザイクは主に建築物の壁や床、工芸品の表面の装飾に用いられた技法でした。
テッセラには、色大理石、ラピスラズリ、白亜、石灰岩、陶片、色ガラス、金箔など、あらゆるものが材料に用いられました。
有名なモザイク壁画には、サンヴィターレ聖堂などビザンツ様式のものが多いですね。
まとめ
中世の壁画は教会建築の一部を担っているものが多く、天井にはめ込まれたものも多いようですね。中世の壁画職人はさぞ大変だったんでしょうね。
私も壁画を描いたことがありますが、首、肩、腰にきて大変でした。
次回は近世の壁画について書きたいと思います。
近世の壁画→http://tamakobo.com/hekiga-tenpera/
壁画の歴史についてはこちら→http://tamakobo.com/hekiga-rekisi/
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