どうもお盆も制作してます。黒沼です。
今日は現在、三菱1号館美術館でレオナルド×ミケランジェロ展が開催中なので、2人の生きた当時、巻き起こった「パラゴーネ論争」について書いてみようと思います!
パラゴーネとは!?
レオナルドとミケランジェロの生きた時代、パラゴーネ論争という「絵画」、「彫刻」、「建築」の内どれが最も上かという論争が巻き起こりました。(私たちにはピンとこないですね)
当時の教会では文字の読めない人に聖書の世界を伝えるため、イエスや聖人の彫像が用いられたようですが、予算のない教会は彫刻の代わりに絵画で間に合わせる ということがあったようです。(彫刻が欲しいけど仕方なく絵画をオーダー?)
このような当時の教会のお財布事情もパラゴーネ論争の背景にはあったようです。
↑これの代わりに↓これ (イメージです)
レオナルドは絵画を、ミケランジェロは彫刻を、最高と主張していましたが、2人のライバル関係の裏には、このような当時の思想が一因としてあったようです。
音楽は美術より上!?
高校で芸術科目で、「音楽」と「美術」のどちらかを選択した私たちには、あまりピンとこないかもしれませんが、レオナルドとミケランジェロの生きた時代、「美術」と「音楽」は同列ではなかったようです。
当時は「手が汚れる仕事(画家、パン屋とか)は手が汚れない仕事(法律家、政治家、司祭とか)より下」という考えがあったようです。
「美術」は手が汚れるけど「音楽」は手が汚れないから「音楽」の方が上だったんですね~
この理解には当時の大学のシステムも影響しているようです。
キリスト教の影響力の強い当時のヨーロッパの大学では「神学」が最高の学問で、これを「哲学」が支えていて、それをさらに支えているのが「自由七科」でした。
自由七科は、文法学、論理学、修辞学、幾何学、算術、天文学、音楽のことで、「音楽」は当時、格式高いジャンルだったんですね。
(上の画像はピタゴラス音階を奏でる人の絵だそうです。古代の数学者ピタゴラスは音楽を科学的、数学的に追求し、これが音楽の地位を高めたようです)
このような当時の「美術」の冷遇へのアンチテーゼがラファエロの壁画「アテネの学堂」には隠されているようです。
画面真ん中で上を指さすのが、ダヴィンチをモデルに描かれたプラトンで、手前で頬杖をついて座っているのが、ミケランジェロをモデルに描かれたヘラクレイトスだそうです。
そしてラファエロ自身もひっそり描かれているようです。
↑ラファエロを探せ
古代の哲学者を描いた壁画のモデルを当時、冷遇されていた画家や彫刻家をモデルに描くことで、美術の高尚さをアピールしたんですね。
まとめ
現在、レオナルド×ミケランジェロ展が三菱1号館美術館にて9月24日(日)まで開催しております。
皆さんも見に行ってみては?
詳しくはコチラ
http://mimt.jp/lemi/
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