こんにちは!技術材料担当の岡部です!
私たちはアクリル絵の具やアルキド樹脂絵の具を使って壁画作品を制作しています。
今回はそんなアクリル絵の具の歴史にスポットを当てて書いてみようと思います!
意外な発展の歴史が見えてきますよ。
アクリル絵の具の誕生
アクリル絵の具が誕生したのは20世紀に入ってからのことです。1940年後半あたりに溶剤で希釈するアクリル絵の具が使われるようになったのが始まりの様です。
溶剤という事は今の水に溶かすタイプではなく、シンナーなどで溶かしていたということになります。
溶剤で溶かすタイプのアクリル絵の具って今ではあんまり見ませんよねー。
プラモデルに使うアクリル絵の具で見ることはありますけどね。
普通、キャンバスに向かって絵を描くタイプの人たちにとっては見慣れないですね。
アクリル絵の具が生まれるっていうことは背景には今までの絵の具(水彩とか油絵の具とか)じゃなくて新しい絵の具が欲しいぜ!っていう人たちが居たってことですよね。
何処の国のどんな人たちが必要としていたのか。見てみましょう!
メキシコ壁画運動
この「メキシコ壁画運動」という運動に参加していたアーティストが必要としていた事がアクリル絵の具開発のきっかけになりました。
この運動は当時のメキシコの文字が読めない人たちのために壁画というメディアを通じて、社会主義革命の意義やメキシコ人としてのアイデンティティーを伝えるために起こったそうです。
主なアーティストに
[su_note note_color=”#ffffc6″]ディエゴ・リベラ、
ダビッド・アルファロ・シケイロス、
ホセ・クレメンテ・オロスコ
[/su_note]といった人達がいました。
彼らは壁画に耐えうる耐久性を持った絵の具を求めていました。
彼らの要望に叶う堅牢な画面をつくるために様々な合成樹脂が、初期には使われてみたいです。
今の絵の具でも使われてるものだとアルキド樹脂などがあったみたいです。(他にも実験的に色々な樹脂が使われていたと思われます。)
商品化
その後色々な樹脂で絵の具が開発されたようですが、コスト面などの問題もあり水溶性のアクリル絵の具が、商業化され発売されたのは1958年になりました。
ちなみにこのはじめて発売された水溶性アクリル絵の具はアメリカのパーマネントピグメント社の製品らしいです。(ウィキペディア先生より)
水性アクリル絵の具は僕たちも知っている絵の具ですね。
顔料とアクリル樹脂エマルジョンを混ぜて練り上げたものです。
今ではホルベインやクサカベ、リキテックスなど多くの絵の具会社が発売して発売して僕たちは当たり前のように使っています。
しかし開発された経緯を見てみると社会情勢や政治的な部分が大きく関係しています。そういった部分を考えながら絵の具を使うと、僕達は過去の画家たちに生かされているんだなと、しみじみ感じてしまいます・・(笑)。
まとめ
ざっくりですけどアクリル絵の具の誕生に的を当てて書いてみました。
メキシコの壁画運動の作品群はとても立派で面白い作品がたくさんあるので、これをテーマにした記事もいつか書いてみたいなーって思いました。
ではでは今日はこの辺で!!
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